JRA厩舎スタッフを目指したきっかけは?
実家が東京競馬場の近くで、親と一緒に何回か競馬場に行ってジョッキーの姿とか厩務員さんの姿を見て、自分も馬の仕事をしたいって思ったのが一番初めのきっかけでした。それで最初はまず牧場に就職してセリの仕事、馴致の仕事をして、いろんな仕事を経験させていただいた中で、競馬っていうのをみんな目指してやっている中で、競馬に一番近い仕事、厩務員さんをまず目指したいと思って、JRA厩舎スタッフを目指しました。パドックを見るのが好きだったので、レースの馬場とパドックを行き来したりする中で、引っ張ってる厩務員さんがかっこいいなと思って目指したいなと思いました。
最初牧場で働いた理由は?
競馬の仕事をしたいと思っていたので、競馬の仕事をするには馬乗りの技術や、馬を扱う技術が大事だなと思ったので、それには牧場就職が一番自分に合っているのかなと思って就職しました。
牧場での経験は今も活きていますか?
どの馬もそうなんですけど、子供で生まれて段々と成長して競走馬になっていきます。2歳でトレセンに入ってくる前の子供の頃の姿を牧場時代に経験できたっていう意味で、一頭一頭に向き合う今の仕事に活きているのかなと思っています。
攻め専調教助手としての仕事内容は?
普段の仕事はトレセンでの調教騎乗が主な仕事です。他には、毎週の競馬場への臨場、あとトレセンでの毎日の事務仕事などが仕事です。
調教助手の仕事で”攻め専”と”持ち乗り”との違いは?
持ち乗りは自分の担当馬がいて、自分の担当馬を朝、馬の部屋を掃除して餌を作って、手入れしてっていう仕事なんですけど、自分は攻め専で担当馬がおらず、他の厩舎スタッフが担当してる馬に乗らせていただいて調教を専門にやるという仕事です。
攻め専を選んだきっかけは?
今の自分の技術を自分で見た時に、調教技術っていうのがまだまだ足りていないなと思ったので、担当馬がいる持ち乗りは1日、多くても2頭しか乗らないんですけど、攻め専なら1日多い時で6頭7頭乗りますので、1日1頭でも多く馬にまたがって、調教技術を磨きたいなって思ったのが一番初めのきっかけです。
普段の事務仕事での役割は?
調教師の補佐的な仕事になります。調教師が北海道だったり、九州だったり、出張でいない時に自分たち調教助手が代わりになって、馬の放牧や入厩、それからレースへの出馬投票っていう事務仕事を代わりにやることになっています。
今後のキャリアプランは?
僕が今考えているのは、将来はまた持ち乗りに戻りたいと考えています。その理由としては、先ほども言ったように調教技術を磨きたいっていう気持ちで攻め専をやっているんですけど、競馬でいい成績を収めるには、調教の技術だけじゃなくて、飼葉だったり、運動の仕方だったり、手入れ、馬の接し方、もう色々な要素があると思うんです。その一つ一つを極めていって、自分のレベルを上げていけるようにしたいです。まずは今、攻め専として調教技術のレベルを上げて、ゆくゆくは持ち乗りになって、自分で担当して自分で競馬に行って、自分でその競馬でいい成績を収められる、そういう人になりたいなって思っています。
この仕事のやりがいは?
この仕事は競馬での成績でモロにというか、自分の仕事がこう良かったんだなと、ああ、もっとこうすれば良かったなとかが成績で反映されます。その競馬の成績が良かった時とかは、やっぱ自分の仕事してて良かったなって思える瞬間だなと思います。
思い出に残っている馬は?
トレセンに入って一番最初に担当させていただいた馬が、僕の初勝利の馬なんですけど、もう右も左も分からない中で、一緒に競馬場へ行ってパドックで初めて回ったりだとか、競馬場で口取りをしたりだとか、そういう経験を一番最初の担当馬で経験できたので、一番最初に担当した馬が今一番思い出に残っている馬です。
仕事をする上で大変なことは?
やっぱり皆さん想像つくと思うんですけど、朝早いことと冬寒いことですね。雨の日なども関係なしに馬に乗る外の仕事ですので、そこが辛いところなのかなと思います。夜も早く寝るようになりますし、だんだんと慣れてくるのかなと思います。
どんな人がこの仕事に向いている?
馬に関わる仕事なので、馬が好きっていう気持ちが大事だとは思うんですけど、僕がこの仕事をしていて思うのは、その馬が好きっていう気持ちと同じように、人付き合いがしっかりできる人っていうのが大事だと思います。馬を扱う上で、一人の人間じゃどうしようも対処できない時でも、二人三人の人が対処すれば、うまく調教とかができる時もあるので、人とのコミュニケーションをしっかり取れる人っていうのは、この仕事をする上で大事だと思います。
仕事仲間とうまくコミュニケーションをとるコツは?
やっぱり大きい声で挨拶することだと思います。会う人、会う人に笑顔で挨拶すれば向こうからもしゃべりかけてもらえることもありますし、朝の挨拶が一番大事だと思います。
牧場での仕事と、トレセンでの仕事との違いは?
牧場の時は競馬場の雰囲気っていうのはまだ分からなかったですが、馬も牧場に帰ってきたらオフモードになるのですが、トレセンは競馬モード。ちょっとピリピリしているとこがあるので、やっぱり人がそれでピリピリしてしまうと馬にも伝わってしまうので、競馬場では、人は和やかにできるように少し心掛けてやっています。
普段、仕事をする上で心掛けていることは?
やっぱり馬は人の言葉が聞こえないっていうか、コミュニケーションを取るのは扶助っていうんですけど、それが一番大事だと思っているので、馬の気持ちを考えて走るといいますか、馬が今、どういう風に思っているのかなっていうのを考えてあげられる。そういうのが一番大事かなと思っています。
未経験からこの仕事を目指す人へのアドバイスは?
このトレセンに入ってくる馬っていうのは競馬モードになっていて、ピリピリしてる馬が多いので、未経験でいきなり入ってくるっていうのはちょっと危ない面っていうのがあります。最初は牧場で、牧場にも色々種類があって優しい馬がいる牧場だったりとか、結構強い調教している牧場とか色々あるので、自分のレベルに合ったところに行くっていうのがまず大事だと思います。牧場経験っていうのは、トレセンに入る上で大事だと思いますので、自分のレベルに合った牧場を経験して、トレセンに入るレベルにもう挑戦できるかなってなった時にトレセンに入ってきてくれればなと思います。転職からでも全然いいと思います。本当にやる気が一番大事だと思いますので。
調教で意識していることは?
1日何頭も乗ってると流れ作業じゃないですけど、次、次となってしまうんですけど、一頭一頭やっぱり違うので、前日寝る前に、明日この馬はこう乗って、みたいに、一頭一頭しっかり考えて、次の日実践してみるっていうのが大事だと思っています。なあなあに仕事してしまうと、身に付くものも身に付かないで日々が過ぎていってしまいます。調教師は調教メニューとか言う時はあるんですけど、じゃあそのメニューをする為に自分でこう乗ってみようとか、そういう風に考えたりします。
休日の過ごし方は?
子供が1歳9カ月になるんですけど、子供と遊んでいるのが多いですね。公園行ったり、子供が遊べる広場みたいなところに行くことが多いので、その時間を充実させられたらなと思っています。この仕事は休みが決まっていますので、予定を立てて、来週何しようかなとか言いながら家族3人で出かけています。
あなたにとってJRA厩舎スタッフの仕事とは?
親が事務仕事をしているんですけど、僕は事務仕事は向いてないってことを元から思っていて、体を動かす仕事の中で馬が好きでこの馬の仕事っていうのを見つけられて、僕はもう他の仕事できないなと思っています。この仕事があってくれて良かったな、この仕事ずっと続けていきたいなって思っていますし、自分に一番合っている仕事だと思っています。その中でどんどんレベルを上げていって、やっているからにはこの仕事をしている人の中で一番になりたいと思っていますし、そういう人になれるように頑張っていきたいなと思っています。
JRA厩舎スタッフを目指す方にメッセージ
この仕事は、馬が好きっていう気持ちと、うまくなりたい、レベルを上げたいっていう気持ちが一番大事だと思います。人付き合いも大事だと思いますので、日頃から接している人、友達でもいいですし、上司の方でもいいですし、先生方でもいいですし、もう日頃から周りにいる方との人付き合いを大事にするっていうのをまず大事にして、それから仕事を目指していただけたらなと思います。僕と一緒に馬に乗りましょう。トレセンでお待ちしています。