JRA厩舎スタッフを目指したきっかけは?
競走馬を一番近くで支えたいと思い、厩舎スタッフを目指しました。
馬との出会いは?
高校馬術部の入部をきっかけに馬に乗り始めました。学校内に動物がたくさんいて、馬術部が活動しているところを見て、馬に乗ってる姿が、かっこいいなと思って入部しました。障害を飛ぶ競技が好きで、少しやっていました。
乗馬の仕事ではなく、厩舎スタッフを選んだ理由は?
今までパドックの外側から見ている時に、内側で馬を引いていたらどんな気持ちになるんだろう。自分も外側じゃなくて、内側の人間になりたいなと思ったので、自分も実際に入ってみようと思いました。
実際に、パドックに立ってみてどうでしたか?
自分の担当馬のことで頭がいっぱいでした。この場所に立ちたいと思っていたので、そこにいざ立てていることが何回行っても嬉しいですし、パドックに行くたびにやっぱりここに立てて良かったなという気持ちになります。
パドックの中での馬は普段と違いますか?
馬によって緊張しているなと思うこともありますし、全然気にしていないなってこちらが感心することもあります。私の方が緊張していることも多いです(笑)
普段の仕事内容は?
担当馬の馬房掃除や馬の手入れ、あとは調教もやらせていただいていますし、担当馬2頭のことに関しては、自分が全部やっています。
仕事をする上で大変なことは?
気温の変化に対応することが大変だと思います。日中ずっと外仕事なので、温度差が激しかったりとか、あと朝の時間もまちまちなので、それに対応していくように体調管理をすることが難しいと思っています。
体調管理のコツや、自分のルーティンはありますか?
お風呂に長く入って、早く寝ます。あんまり悩まない性格なので、毎日同じようにお風呂に長く入って、よく寝て、そしたら次の日また頑張れます。
この仕事のやりがいは?
馬の変化を一番近くで見られることが楽しいです。日によって馬の調子が違ったり、今まで出来なかったことが出来るようになっていたりとか、そういった成長していく姿を見ていてすごいなと感心しますね。
この仕事は、どんな人が向いている?
一生懸命になれる人は向いていると思います。例えば、今この馬がゲートをうまく出れないとか、できないことに対して諦めずに一生懸命向き合えることが大事だと思います。やっぱり、入ってきた2歳や3歳の馬たちは、まだ若い馬たちなので、できないのが当たり前。できないから諦めるとか、できないから駄目だじゃなくて、前向きに向き合うことが大事だと思います。
担当馬のお世話の工夫は?
パドックで外から見ていて、この馬が一番きれいに映ってほしいなって、毎回思うんです。なので、この馬だったらたてがみや尻尾はどんな編み方が似合うかなとか、何色のリボンが似合うかなっていうのは考えます。
担当馬との思い出は?
膝の骨折をしてしまって休養していた馬が先日、レースにまた復帰して頑張ってる姿を見て、私自身も頑張ろうって思いました。絶対この子をまた競馬に復帰させたいと思っていたので、実際に復帰できて良かったなと思います。嬉しいのと、あと安心感がありました。
今後のキャリアプランは?
今、持ち乗り調教助手のお仕事をさせていただいているので、私は持ち乗りを長く続けていきたいと思っています。自分の担当馬のことは、自分が一番わかっていたいですし、担当馬の背中は自分で知りたいなっていう気持ちがトレセンに入ってより強くなりました。
馬が馬房にいる時と、調教する時では雰囲気が違いますか?
違いますね。普段大人しい馬が馬場に入っていくと気合入っているので、やっぱり違うなとは感じます。
乗馬への恐怖や抵抗はありましたか?
スピードに対しての怖さは感じないです。自分で乗っているとあまり速く感じないんですけど、外から追い切りを見ていると、馬って速いなと思いますね。馬に乗って走っている時に流れてくる景色とか、空気がすごい新鮮で、あの空気感が好きです。
女性が働くのは大変?
女性だからといって大変だと私は感じたことはないです。大変なことは、男性の方でも一緒ですし、気温の変化に対応していくのが大変だなと思うぐらいです。
職場で女性同士の交流はありますか?
女性達の中ではチームワークというか、何かあった時に相談を聞いていただいたり、親身になって考えてくださるので、とても頼れる先輩たちは数多いです。
女性も目指せる?
自分で頑張っているつもりでも、この業界での当たり前のことが当たり前にできない。その当たり前になるには難しかったり、不安になることもいっぱいあったんですけど、いざやってみたらできるように頑張ろうっていう気持ちになると思うので、少しでもやってみたいと思う気持ちがあれば、ぜひ挑戦してみてほしいです。きっと大丈夫です。
あなたにとってJRA厩舎スタッフの仕事とは?
自分の生活の中心です。担当馬のことで頭がいっぱいになりますし、いいことも悪いことも、それを自分で受け入れていきたいです。
休みの日の過ごし方は?
休みの日は、女の子の友達と遊びに行きますね。厩舎スタッフの先輩方と女子会をすることも多いですし、厩舎以外の人とも遊びに行きます。買い物したりとかよく東京にも行きますね。
オンオフの切り替えは?
切り替えは、そんなにしないかな。休みの日でも馬見たいなって思いますね。
学生時代に乗馬をやっていて、今に活かされていることは?
競走馬と乗馬は少し違うと思うんですけど、馬に慣れていれば大丈夫だと思います。厩舎スタッフは一番馬の近くにいれる仕事だと思っていて、誰よりも馬の側にいれることがとてもやりがいがあると思います。
土田稔厩舎の雰囲気は?
職場の雰囲気はとても和やかな雰囲気です。
仕事をする中で心がけていることは?
体重はマメに測るようにしていて、何キロを超えないようにしようっていうのは気にかけています。だからといって、これを食べてはいけないとか、何をしてはいけないっていうのは特に決まっていないので食べた分、動きます。最初は大変でも、慣れてくるので大丈夫だと思います。
トレセンに入る前後で心境の変化はあった?
トレセンに入ってからは前向きになりました。今まではできないことや、自分が苦手なことに対して挑戦できずにいました。競馬学校時代もなかなかできないことに対して前向きに取り組めなかったんですけど、いざ現場に入ってみるともう頑張るしかないので、担当馬が良くなるために、自分が頑張るしかないと前向きな気持ちになりました。
乗馬の経験がなくてもこの仕事はできる?
できると思います。経験があるに越したことはないんですけど、馬に対してどれだけ向き合えるかってことが大切だと思うので、経験がなくてもやっていけると思います。
JRA厩舎スタッフを目指す方にメッセージ
自分の気持ち次第でいくらでも変えていける仕事だと思います。大丈夫だよって、言ってあげたいです。敷居が高く感じるかもしれませんけど、入ってみたら思ったより、自分の気持ち次第だなっていうのは感じました。難しそうだな、危なそうだな、怖いなっていうのは感じやすい職場だと思いますが、頑張り次第でいくらでも変わっていけると思うので諦めずに興味があったら是非挑戦してみてほしいです。馬に一生懸命向き合える気持ちがあれば、きっと大丈夫です。ぜひ挑戦してみてほしいです。