JRA厩舎スタッフを目指したきっかけは?
実家が競走馬の生産に関わってますので、昔から選択肢の1つとしてずっと頭の中にありました。年齢制限28歳(現在、年齢制限は撤廃)ギリギリで、26歳くらいから受けはじめたんですけど、そこまでは競走馬に関わるいろんな世界に行ったりとか、セリ、育成とかに携わる仕事をしていました。
攻専と持乗調教助手の違いは?
やっぱり他の人の、自分の担当馬以外の馬も乗るってことで、その日その日、いろんな馬をちゃんとよく見ています。1頭だったり2頭だったりだけじゃなくて、もっと厩舎全体のことを見ながら仕事をしていかなきゃいけない仕事だと思います。
大変だと思うことは?
やっぱり朝早かったりとか、相手が動物なので、その日によって馬の体調だったり、あとは気分によっては危険も伴う仕事だと思いますので、その辺は気をつけています。
この仕事のやりがいや魅力は?
1頭に対していろんな人が関わっていて、勝ったり負けたり、良い競馬したり悪い競馬したり、その時その時によってやっぱり1つ1つ結果が出て、みんなでそれを共有して仕事ができるっていうところはとても魅力的だなと思います。
実家が牧場ということで受けた影響は?
両親も祖父祖母もこの仕事に携わっていて、やっぱり馬と触れ合ってる時間っていうのがとても楽しそうに見えていたので、もちろん大変な仕事だっていうのも分かっていたんですけど、そういったところに魅力を感じました。
休日の過ごし方は?
牧場行ったりとか、セリを見に行ったりとか、時間がある時は海外で競馬見たり、海外の知り合いのもとを訪ねたりってことも多いんで、プライベートも半分くらいは馬中心ですかね。
日本ダービー優勝馬「マカヒキ」との出会いについて
まず厩舎の方で、初めて担当ってことで見せてもらった時に、とても馬格があってバランスの取れている、いい馬だなと思いました。
マカヒキとの思い出のレースは?
一番思い出に残っているのは、日本ダービーで勝った時のことですかね。ダービーは世界各国のホースマンが勝ちたいと思い、3歳時に1度きりのチャンスなので調整はもちろん、出走する事も難しいレースです。そのレースの重み、熱量は言葉では言い表せません。勝利時は、感謝、感激、安堵感などたくさんの感情が溢れ出ました。
凱旋門賞での感想は?
長く一緒に海外遠征することによって、いろんな知識や経験を勉強させてもらいましたし、ああいった機会はなかなか普通は頂けないと思いますので、関係者、調教師だったりへの感謝を本当に感じながら仕事をしていました。
GⅠ馬を多く預かるプレッシャーは?
応援してくれるファンがとても多い馬なので責任はあります。また、繁殖牝馬、種牡馬として、この競馬産業の将来を担っていく馬たちだと思いますので、そこに対しての責任もありますが、未勝利であろうと、GⅠ馬であろうと、やることだったり馬に向き合う姿勢っていうのは変わらないです。
思い出のレースや馬は?
思い出に残っているレースは、マヤノトップガンとナリタブライアンが競い合った阪神大賞典ですね。トップスター同士が、4コーナーから直線までびっちりずっと横並びで競ったレースってのもなかなかないですし、それぞれのジョッキーも馬も華があったんで、とても印象的です。自分が感じたような感動を、ファンの方々や関係者の方にも与えていけたら素晴らしいことだと思います。
これからのキャリアプランは?
やっぱり夢は調教師として、馬に携わっていきたいっていうのはあります。いまの友道先生のもとで仕事させてもらいながら、視野を広く持って、いろんな知識を取り入れていけたらいいなとは思っています。
この世界を目指す人に求めるマインドは?
まず動物が好きであること。そしてみんなと一緒に仕事をして、世話する喜びであったり勝負事に向かう喜びだったり、その中で勝つことができればもちろん良いと思いますが、そういったところに一生懸命になれるような人が来てくれればいいなと思います。
この世界を目指す人がやっておくべきことは?
とにかく馬に接することだと思います。
馬に接する上で気をつけていることは?
馬の変化を見ることですね。その日その日の体調だったり気分だったりで馬はやっぱり全然違いますので。その辺は、よく気をつけながら接するようにしています。
馬の変化を感じるところは?
馬の仕草、表情、あとは餌を食べる食べないとかもありますし、馬房の汚れ方とかももちろんありますし、引いた時の馬の仕草、挙げれば正直キリがないですね。どこだけ見とけばいいってことはないと思います。
学生へのメッセージをください!
馬の数だけ、その喜びだったり、楽しみ方っていうのがあると思いますので、ずっと働いていく上で、飽きることがない職業だと思います。体も動かしながら、決められた仕事ばかりをやるのではなく、いろんな変化のある中で仕事をしていくので、毎日毎日が楽しいと思います。やる気があって、動物が好きな人は、この世界を目指してほしいと思います。