JRA厩舎スタッフを目指したきっかけは?
もともと学生時代、阪神競馬場でアルバイトをしていて、その時に間近で厩務員さんを見ていて楽しそうで、やりがいのある仕事なんじゃないかなと感じたからです。
阪神競馬場に行ったきっかけは?
大学の馬術部に所属していて、その時に部活動の一環としてアルバイトに行っていました。
初めて競馬を見たときの感想は?
今まで乗馬馬しか見ていなかったんで、競走馬の走りっていうのが速くて感動しましたね。
厩務員ではなく、持乗調教助手を目指したきっかけは?
2頭の馬を自分で担当する。その中でその2頭の馬を自分が一番知っている状態にする。責任を持って扱うことをやってみたかったからです。
この世界に入ったことへのご家族の反応は?
実家は大阪の電気屋で、競馬とは全く関係なくて競馬も見ない家庭だったんですけど、僕がこの業界に入って、僕の馬が出るレースはやっぱり毎回チェックしてくれています。本当に家族全員で勝ったときは喜んでくれて、やっぱりそういう姿を見るのは嬉しいですね。
ご家族に相談してみたときは?
大学4回生のときに、厩務員になりたいって家族に相談したら、どう思うのかなって心配していました。でもやっぱり自分のしたい仕事に就くのが良いから、挑戦してもいいんじゃないかと言われたので、安心しました。
大変だと思うことは?
つらいのは、自分の担当していた馬がレースに行った時に、怪我をしたり亡くなってしまったり、そういった場面に立ち会ったときは本当につらいですね。
この仕事のやりがいや魅力は?
毎日一緒にいる担当馬がレースを全力で走ってきてくれて、1着を獲ってきてくれたときが、やっぱり、やりがいや魅力を感じると思います。また、ファンの方々からの、自分の担当馬への声援というか「お疲れさま!」だったり「ありがとう!」「がんばれ!」っていう声援が、自分の日頃のモチベーションになってます。
新人が3人という鮫島厩舎。新人で切磋琢磨する環境はどうですか?
僕は2月に入って、5月、11月と新しく入ってきたんですけど、新人3人ともキャラが違うというか、その中でやっぱりお互い負けないようにっていうところもあって。うちの調教師の先生も結構、僕らに任せてくれるところがあるので、切磋琢磨して3人ともできています。でも人のレースの時は全力で応援する、みたいなとこがあって、すごい良いと思います。
普段はライバル同士ですが、プライベートでは?
みんな仲がいいので、やっぱり歳上の先輩方ともよくご飯に行きますし、出張とか行った時には、一緒にご飯いったりとか、遊びに行ったりとか、すごい良い雰囲気の中でやらせてもらってます。
担当馬「モズカッチャン」とのエピソード
僕が最初に鮫島厩舎に決まった時に、調教師の先生から、モズカッチャンという馬をやってもらうと言われて、初めは変わった名前の馬だなと思って。初めて会った時にモズカッチャンは、すごく気が強くて、結構うるさいところがあったんで、ちょっと怖かったです。でもああいう感じで出世してくれて、GⅠの舞台や海外レース、そういった所に自分を連れて行ってくれたので、本当に感謝しかないですね。
モズカッチャンの性格は?
基本的には気が強かったので、機嫌を損ねないように接していたというか。でもやっぱり、レースが終わった後はちょっと甘えてきたりとか、そういう可愛い面もありましたね。
モズカッチャンと初めてレースに出たときの思いは?
レースに対して、何も分かってないとこから始まってるので、いろんな先輩方に「こうした方がいいよ」っていうアドバイスをもらいながらレースを迎えました。本当に不安な気持ちしかなかったんですけど、その不安な気持ちもあった分、やっぱり勝ってきてくれたときには、自分の仕事は間違ってなかったのかなっていう思いはありました。
モズカッチャンとの思い出のレースは?
やっぱり、オークスですね。オークスに行くまでに、3連勝で来ていて、勢いもありましたし、GⅠの舞台でもやれるんじゃないかっていう期待を持って挑んだレースでした。「勝てるかな?」って思ったところで2着で。僕は検量室で待っていて、その時に馬が帰ってきたときの姿を見て、悔しかったって思いもあったんですけど、すごい全力で走ってきてくれた姿を見て感動して涙が出ました。
モズカッチャンでGⅠを獲得した時の周囲の反応は?
僕の家族もそうですし、友達、いろんな厩舎の方々に「おめでとう」って言われたことと、やっぱりうちの先生(鮫島調教師)にとっても18年目で初GⅠだったんで本当に良かったです。獲ったあともやっぱり緊張感を持って、もう1つくらいGⅠを獲りたいって気持ちで取り組んでいたんで、モズカッチャンが引退ってなった時に、やっぱり先生もすごい残念がっていました。鮫島先生が定年する前に、もう1度GⅠを獲って、ウイナーズサークルに一緒に行きたいなって思いはあります。
モズカッチャンにかけてあげたい言葉は?
本当にいつも全力で走ってくれていた馬なんで、「お疲れさま」というのと、あとモズカッチャンには子供を産むっていう仕事もあるので、「いい子を産んでください」っていうのと、「長生きしてください」ですね。
これからのキャリアプランは?
まだ3年目なので、やっぱりいろんな馬を担当して、経験して、調教助手としての腕を磨いて、モズカッチャンの時もそうですけど、GⅠの舞台で戦える馬にたくさん携わりたいと思っています。
夢はありますか?
将来の夢とかはまだ考えられないですけど、いまの夢としてはやっぱり鮫島先生にもう1度GⅠを獲ってもらう、そういう馬を担当、調教したいと思っています。
JRA厩舎スタッフの仕事とは?
JRA厩舎スタッフの仕事って言われても、みんな分からないと思いますし、経験も必要なんじゃないかって思われると思います。僕自身、大学時代に馬術はやっていましたけど、競走馬に関しては育成牧場で2年だけしかやってないんです。経験不足の中でも、やっぱり厩舎に入って、調教師の先生、厩舎の先輩方、装蹄師の方、獣医さん、いろんな人にアドバイスをもらいながら、レースに向けて、馬と一緒に成長していける仕事だと思います。馬に触れたことがないからとか、そういうのはあまり気にしなくても大丈夫なんじゃないかなと思います。
この世界を目指す人に求めるマインドは?
やっぱりGⅠを獲るとか、大きいレースを獲るとか、お金を稼ぐとか、そういった夢を持って入ってきたほうが、やっぱり担当馬が活躍してくれた時に良い思いもできますんで、そういった思いを持った方がいいと思います。
この世界を目指す学生への応援メッセージ
競馬が好きとか、馬を見るのが好き、馬に触れるのが好き、そういった方はやっぱり厩務員って仕事は向いていると思います。馬と一緒にレースに向かう中で成長していける環境があると思うので、この世界に飛び込んでもらいたいです。