JRA厩舎スタッフを目指したきっかけは?
もともと実家で動物を飼っていて、動物が好きだったんですけど、その中でやっぱり動物の仕事に就きたいなというのがありまして。家が川崎競馬場と東京競馬場の間ぐらいだったんですよ。父も競馬好きでGⅠぐらいは見に行く機会はあったんですよ。それで見てるうちに凄く、やっぱり競馬かっこいいなと思いまして、でも当時から背が大きかったのでジョッキーは無理だなっていうのがあって。一番最前線は何かなって調べたら、やっぱりトレセンで働くことだったので、それでトレセンを目指しました。
動物の仕事に就きたいという思いはいつから?
小さい頃から犬や猫やハムスターとかいろいろ飼ってたので、中学校に上がるくらいには将来何か仕事がしたいな、何がしたいかなって考えたら、動物関係っていうのは考えていましたね。
そこから馬という進路にいたった経緯は?
中学も高校も馬は全然関係ない学校に行ったので、乗馬とかもやってなかったんですよ。それで高校を卒業して、育成牧場の方に就職したんですけど、期間があるのでそこで働きながら競馬学校を受験するという形でした。
牧場を選んだきっかけは?
やっぱり馬に乗りたかったので育成牧場っていうのは最初に選択肢に入れてて、生産牧場もあると思いますけど育成牧場なら馬に乗れる、でも北海道っていうのはちょっといきなり飛び込めなかったので内地で探して。それで福島県のテンコー·トレーニングセンターってところがあったんですけど、当時、トーセンの島川オーナーが経営されてるとこだったので、すごく大きなオーナーの馬主さんで、すごく施設も良かったし初心者でも大丈夫ってことだったので、そこにいきなり行かせてもらいました。
普段の仕事内容は?
今は厩務員なので基本、朝、馬の馬体チェック、寝藁あげ、厩舎作業して、馬装して、馬の前運動、乗り運動したり引き運動したりして、助手さんに渡してその後、調教のチェックしに行って、またそれを受け取って、上がり運動などして、手入れして。今、担当2頭なので、それを2頭やってって感じですね。
大変だと思うことは?
きつくない仕事ってないと思うんですよ、どんな仕事でも、馬以外でも。皆さんやってる仕事ってきついと思うので。忙しいのは忙しいんですけど、やっぱり大変なのは、言葉通じないですし、なかなか思い通りにいかないところですかね。
馬とのコミュニケーションでの工夫は?
言葉をかけますね。声をかけながらやっていれば、応えてくれる馬も多いので、そうやってしっかり声をかけてコミュニケーションを取りながらやってますね。
この仕事でのやり甲斐は?
上手くいかないことが多い分、やっぱり上手くいった時の喜びっていうのがすごく強いです。
「上手くいく」とは?
やっぱり一番求めてるのは僕ら結果なので、結果が出ることに越したことはないんですけど、それでもやっぱりすごく下位で走ってた馬が、少しでも上っていうのを目指しています。それで思い通りに調教できて思い通りの飼料管理、体重管理とかできて、それで結果勝てなくても、どんどんどんどん上に上がっていければそれが本当に良かったなっていうような結果につながっていきますね。
思い通りに育てるために気をつけていることは?
奥村厩舎は今みんなで一応担当制で、1人2頭決まってるんですけどみんなで全部管理できるようにって事で、毎週木曜日にミーティングしたり、朝昼って厩舎内でミーティングをしています。みんなでいろんな馬を把握して、その中でこの馬こうした方がいいんじゃないって自分以外の目線からも言ってくれることが多くて、僕も言うこともありますし、この馬こうした方がいいんじゃないって。そういうふうにいろんな目線から言ってもらえるように、いろいろミーティングしながらやってます。
奥村厩舎の雰囲気は?
厩舎一丸になってやんなきゃいけないので、しっかり言いたいことも言いますし、先生もすごくラフな方で意見を言えばしっかり聞いてくれる方なので、すごく働きやすい環境ですね。
この仕事に就く前と後で印象が変わったことは?
やっぱり牧場でも、それなりの技術とかそれなりのことはやってきてたと思ってたんですけど、、、。やっぱり競馬に向かう一番最前線のトレセンに入って、こんなに濃いことやってるんだなって日々思います。馬主さんから預かってる大事な馬たちなので、それを2頭、真剣にずっと見られるっていう、トレセンに入って、もっともっと手をかけられて、こんなにすごく濃い時間を過ごせるんだなと思いましたね。
思い出に残っているレースは?
結構いろいろ覚えていて、初勝利とかも嬉しかったですし。重賞を勝つまでは担当してなかったんですけど、その重賞を勝つ馬の新馬とかはやらせてもらってたこともあるんですけど、それより一番鮮明に覚えてるのが、やっぱり一番最初にトレセンに入ってしたレースですかね。ちなみに結果は4着とかだったんですけど。でも本当に何も分からないままトレセンに入って、本当に言われるがままにやって連れて行って。今までは見る側だったんですけど自分が本当にその芝の内側に行ってゲートに入れて、それで本当に一番思ったのが、ああもう無事に終わったなっていうような感じでしたね。それは本当にすごく覚えてます。
その時、レース前の馬への思いは?
もう自分でいっぱいいっぱいだったので、、、まあでも何より無事にって思いましたね。自分が本当にまだ最初だったので、自信を持って送り出せなかったので、とにかく無事に帰ってこれるように、そういうふうに思って仕上げましたね。
休日の過ごし方は?
休みの日は、主に買い物に行ったり、食べ歩きも好きなので都内に出て美味しいものを食べにいったりしてますね。
他にも趣味はありますか?
ゲームとかしたりで、リアルなサバイバルゲームをしに行ったりすることもありますね。
普段の食事と体重管理について
ある程度仕事でも動きますし、そこまでバカ食いもしないですし、やっぱりでも気は遣います。馬に負荷をかけることはいいと思うんですけど、乗って負担をかけちゃうのが一番良くないので、それはやっぱり馬のために気は遣っていますね。
これからのキャリアプランは?
調教師になる方っていうのは本当にすごい人たちだと思いますし、僕はたぶん調教師になる器ではないと思うので、まあでもそうですね、、、いい馬は河﨑にやってもらいたいって、馬主さんからも調教師さんからも言われるような厩務員になっていきたいですね。
夢や目標はありますか?
目標は、やっぱり大きいレースに勝つこと。海外でいっぱい大きなレースを勝ちたいんですけど、夢は、周りから見て不可能かなって言われているようなことに挑戦することです。もうそろそろ凱旋門賞なんかきっと日本が勝つでしょうし、ドバイもやっぱ勝ちましたし。それこそオジュウチョウサンの挑戦なんか僕はすごくいいと思いますし、障害と平場でGⅠを狙ってくっていうような、そういう誰もがちょっとそれ不可能なんじゃないって言われてるようなことに、どんどんどんどん挑戦して、そこで結果を残したいですね。
この業界を目指す若手にとって必要なマインドは?
本当に、馬が好きってことですかね。馬が好きならぜひ入ってきてもらいたいですね。
河﨑さんにとってこの仕事とは?
この仕事は正解がないと思うんですよ。生き物相手なので、良い結果が出たからといって同じようにやろうとしても、やっぱり馬も変化していきます。正解がなくて完成されない、どんどんどんどん日々進化していける、だから自分もずっと向上心を持ったままいろんなことを追求していけるので、すばらしい仕事だと思います。